大なべにどっしりと煮こんだ温かい納豆汁―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年12月08日

聞き書  山形の食事 県北最上の食より

朝―大根葉飯、納豆汁、豆こづき、たくあん
飯に入れる大根葉は、大根干しやたくあん漬にした大根の葉を乾燥しておいたもの、または塩漬にしておいたりしたもので、細かく切って白いまんま(飯)と混ぜ合わせる。
納豆汁は大なべにどっしり煮る。中の具は、わらび、きのこ、いものこ(里芋)、油揚げ、豆腐、いもがら、ときには、こんにゃくなども入れる。どっしりつくるので二日も三日も食べる場合がある。だんだんこくが出ておいしくなる。冬場はからだも芯から温まり、お客さまのもてなし、ごちそうの一つにもなっている。
豆こづきは、真室川村木ノ下の佐藤家の得意な料理の一つで、夜のうちにつくっておく。水にうるかして(浸して)から煮た大豆をこづき(つぶし)、とろろいものすりおろし、または米粉と合わせて蒸して、上に小豆あんをかけたものである。

写真:冬の朝食
上:豆こづき、たくあん/下:大根葉飯、納豆汁

 

出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.106-108

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
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