イノシシを丸ごと資源として使い切る おおち山くじら(島根県邑智郡美郷町)

連載鳥獣被害対策

2020年01月24日

2004年に邑智町と大和村が合併し誕生した美郷町は、島根県のほぼ中央部に位置する人口4,787人、2,243世帯(2018年3月1日現在)の小さな町である。町内を流れる江の川は中国地方で最大の川であり、カヌーや鮎釣りが人気となっている。また世界遺産にもなった石見銀山へ続く銀山街道の緑に囲まれた自然豊かな地域である。町の高齢化率は約45%と高く、人口減 少も続いている典型的な中山間地域である。

島根県美郷町 総面積 282.92㎢ 人 口 4,787人(2018年3月現在)
中国太郎とも呼ばれる江の川沿いに集落が形成されている

獣害対策のスタート

野生鳥獣による農業被害が全国的に問題化しはじめていた1990年代、美郷町においても、イノシシによる農業被害が無視できないものになっていた。

美郷町の鳥獣被害対策が、地域住民、農業者、狩猟者を巻き込んで、本格的に始まったのが、1999年(平成11年)のことである。

まずは当時の近畿中国四国農業研究センター(現:西日本農業研究センター)から講師を招き被害対策の指導を受けた。この指導でイノシシという動物の生態はもちろん、放任果樹や収穫残渣といった、野生鳥獣を呼び寄せている環境の問題点や防護柵の設置・点検という野生鳥獣から農作物を守るための知識を学んだ。

指導にあたった近畿中国四国農業研究センターの研究員の一人で、その後同町に移住した井上雅央氏は、「住民向けの研修会は座学のみではなく、実際に畑に出向き、実践で学ぶことが重要だ。受講直後は、自分も簡単にできるような気持ちになるが、いざ実践しようとすると、柵の高さや支柱の間隔などの具体的な疑問にぶつかり、諦めてしまう人も出てきてしまう。そうならないためにも、直接畑で指導に当たることが大切なのである」と言う。

この後2013年(平成25年)に、美郷町と近畿中国四国農業研究センターは、獣害対策の研究成果を全国に発信するための包括的研究連携協定を締結している。

他人まかせの鳥獣害対策

被害対策に関する正しい知識を得るだけでは不十分である。効果的な被害対策を行うためには、地域住民が被害対策に対する意識を共有し、かつ機能的な体制づくりを同時に進めなくてはならない。

旧邑智町での被害対策は、地域住民が意識を共有せず、また体制も十分に整っていなかった。

町役場へは「囲いわな」の設置に対する補助金が欲しいという農業者の要望が数多く寄せられていた。しかし、それまでに仕掛けられた囲いわなでさえ管理が行き届いていないものがあり、むしろ設置数は飽和状態であった。また、囲いわなにイノシシがかかっても処分するのは猟友会員を中心とする駆除班であり、これに農業者が関わることはなかった。

囲いわなの設置要望が多かったが管理が行き届いていないものがあり、その後囲いわなへの補助(新設)は廃止する

これは農業者が、補助金依存、猟友会依存、行政依存という三つの依存体質に陥っており「町役場に言えば何とかしてくれる」「狩猟免許がある猟友会がしっかり駆除すればいい」といった考えにとらわれ、本当の受益者である農業者が主体性をもってイノシシ対策に向かっていなかったのである。

また、狩猟者も自然の恵みであるイノシシの狩猟を楽しみたい、冬のイノシシを獲って収入を得るという、鳥獣被害対策とは別の視点から捕獲を行っていた。

自分の畑を荒らすイノシシが捕まりさえすれば良いと考えている農業者と、狩猟者の利害は、一見似ているようで実際は一致しない。これは現在でも多くの地域で見られる問題で、行政担当者は農業者と狩猟者の板挟みになり、人間関係の調整に係るエネルギーの多くを費やすこととなり、本来行うべき部分まで手が回っていないことが課題であった。

他人まかせをやめ農業者主体の対策へ

このような依存体質を打破するために、町では1999年〜2001年(平成11〜13年)までの間に以下の4項目を断行した。

  • ①猟友会に依存した駆除班組織を見直し、農業者を含めた被害対策に協力的な駆除班組織に再編成
  • ②農業者が自ら狩猟免許を取得することを奨励
  • ③イノシシの尻尾による捕獲確認方法を職員の現地確認に変更
  • ④対策費の削減など依存体質の脱却

駆除班組織の再編

それまでの駆除班は、町から駆除依頼のみで猟友会へ指示がなされ、駆除班員の調整などは猟友会が行っていた。このため猟友会と駆除班の線引きがあいまいになり、狩猟と駆除の概念や猟友会と駆除班の立場の混同が起きていたが、これを調整した。まず駆除権限の既得権は町にあるとし、鳥獣行政のトップは町長とし、町長の下に駆除班長、副班長(複数)、駆除班員(農家・猟友会会員)が付き全体がピラミッド型の一つの組織となるように再編した。これにより駆除班組織は被害対策のための組織であることが明確になった。

2000年(平成12年)には、自らで農地を守るという目標のもと狩猟免許を取得した29名の農業者が駆除班に加わった。被害対策の受益者は農業者であり、主体性を持って自らの農地を守ることとなった。

確認方法を現地確認に

イノシシが駆除されると、1頭につき6000円の捕獲奨励金が町から駆除班員に対し支払われており、1999年(平成11年)度は732頭を捕獲したものの、小さな美郷町にとっては大きな負担となっていた。

イノシシの駆除確認をすべて現地確認に変更し、正確な捕獲情報を収集した

そこで美郷町では、それまで、駆除班員が持ち込む尻尾によって行っていた駆除の確認を、町職員による現地確認に切り替えるとともに、現地確認の台帳には、捕獲日時、捕獲場所、捕獲方法、捕獲者、確認者である役場職員などのデータが蓄積され、これが被害対策の改善につながった。また、後にイノシシ肉を資源として流通させることになった際には、捕獲履歴を追う上で重要な仕組みとなった。

効果の低い被害対策の廃止

費用対効果の低い対策の見直しとして、一斉駆除の出動手当の廃止がある。一斉駆除とは県が中心となり狩猟者が山に一斉に入りイノシシを駆除する取り組みであり、この際の狩猟者への出動手当を廃止した。

また、囲いわなは一度に複数頭を捕獲可能であることが利点であるが、移動が困難で設置費用も高額であるため、すでに設置されているものを活用することとし、新規に設置するわなは、移動も簡単で、設置費用も比較的安価な箱わなに変えることでコスト低減に努めている。

駆除イノシシの資源化 おおち山くじら生産者組合の誕生

町は、自分の農地は自分で守るという意識を浸透させ、駆除班を再編成し、これに並行してイノシシの活用にも着手した。

2000年(平成12年)ごろ駆除の現場に駆けつけた役場担当者(安田亮氏)は、住民たちが民家の軒下で駆除したイノシシを解体し、楽しそうに分かち合う姿を目の当たりにして、イノシシは害獣ではなく資源であり、その先は地域づくりにつながっていることに気がついた。

被害対策の一貫として捕獲されたイノシシとは、春から秋に捕獲された個体で夏イノシシのことである。一般的に美味しいとされる冬場のイノシシ肉ではないため夏イノシシが食肉として適しているかという課題が浮上した。

そこで2001年(平成13年)から近畿中国四国農業研究センター、大阪府環境農林水産総合研究所、食とみどりの総合技術センターと協力して夏イノシシの肉のサンプルを分析し、データ解析に取り組んだ結果、冬イノシシ肉に比べて脂肪酸やアミノ酸含有量に劣るが、高タンパク・低脂肪の肉であることがわかった。

その後2003年(平成15年)には「生体搬送」が実用化され、温度管理が可能で、解体処理の人材など環境の整った処理施設までイノシシを生きたまま運ぶことで、高品質な肉を確保できるようになった。

捕獲したイノシシは生体のまま処理施設に搬送する

そして翌年の2007年(平成19年)、被害対策の促進と駆除したイノシシの有効利用に加え研究機関への肉のサンプル提供、地域活性化などを目的に駆除班員62名により「おおち山くじら生産者組合」が誕生する。(「おおち」という名は旧邑智町の邑智を意味する。)島根県中央部の邑智郡がイノシシの産地、ブランド化していくという思いがその名前には込められている。

おおち山くじら生産者組合の取り組みは、イベントでのPR活動や町内の学校給食でのイノシシ肉の利用(2005年)、閉鎖した給食センターを利用した惣菜製造や、加工食品の製造(2007年)、皮革活用など、地域住民を巻き込みながら徐々に広がっていった。

また、東京に本社を構える獣肉卸売等を手がける株式会社クイージとの業務提携と支店の誘致、残渣の飼料化による処理費用の低減など、新たな取り組みも次々に始まっている。

女性が動けば鳥獣被害対策は進む

「鳥獣被害対策は男がするものだと思っていましたが、ある日、『鳥獣害でいい先生がいるから講演会してみないか?』と亮ちゃんに言われたのがきっかけね」吾郷(あごう)地域婦人会の会長、安田兼子氏は振り返る。

ある日、『鳥獣害でいい先生がいるから講演会してみないか?』と亮ちゃんに言われたのがきっかけね」吾郷(あごう)地域婦人会の会長、安田兼子氏

ちなみに“亮ちゃん”というのは美郷町役場産業振興課の安田亮氏のことで、長い付き合いから親しみを込めてそう呼んでいる。獣害を防いで家庭菜園で穫れたものが食べられるようになれば…。そういう気持ちで2005年(平成10年)2月に講演会を実施することになった。「男性の方も興味があるかと思い『私たちだけでなく皆さんもいかがですか?』と自治会長さんにお話したら80名ほど集まることになりました」指導したのは井上雅央氏(当時:近畿中国四国農業研究センター)。“100歳になっても楽しい畑づくりをしよう”というキャッチフレーズを掲げ、とても分かりやすい講演会だったという。安田さんから、講演会のお礼と、今後も勉強させて欲しいという想いを井上氏に伝えたところ、全面的に獣害対策の協力を仰げるようになった。

その後、婦人会の研修農場「青空サロン畑」を開設。柵、ネットの設置や食害に遭わない栽培方法を実践してきた。メンバー各自が実践することで、全員に獣害対策のノウハウが身についた。

青空サロン畑

1年目は「獣害から守る畑」をテーマに掲げて対策を行ったが、完全に防ぐことはできなかった。2年目は農場に獣が入ってこないように、電気柵やトタン板の柵を設け、上部はサルが入りにくいようにネット(猿楽君)を張るなど改良を重ね、獣がなぜ里におりてくるのか、どうすれば田畑に近づかないかをみんなで楽しく勉強して「いい野菜をつくろう」と対策に励んだ結果、被害が発生しなくなった「男性は話を聞いても、そこから広がりにくいけど、女性の場合は、聞いた話を家族や友人にまた話すでしょう。この後で自らを取り組むのは女性が多いですね。」と安田兼子氏は言う。

獣害対策と省力で高齢になっても作業ができることを目標にしている

婦人会の女性たちが一歩を踏み出し、家庭菜園を守りたいという思いから始まった獣害対策をさらに発展させ、町内近隣の他の地区まで広がった。「自分の畑だけ被害にあわなければいいという気持ちではダメですね。みんなが一緒にならないと。私たちは、講演会で教わった内容を皆で共有し、よく話しながら対策を行ってきました。それによって地域のつながりも強くなったのは間違いありません。テレビでも鳥獣被害対策をやっていますけど、私たちからすれば、もっと鳥獣被害対策について勉強すべきだと思います」と笑う。また青空サロン畑は、町の研修会の会場や全国各地からの視察者が訪れる拠点として大活躍しており、毎年10月に開催される「青空サロン収穫祭」は地元のみならず、情報交換などを目的に全国各地からここで学んだ仲間が集まる一大イベントとなっている。

イノシシ肉だけじゃない。保育所も利活用

東京に本社を持つ株式会社クイージは、コンサルティングも行う獣肉卸業者で、美郷町は2014年(平成26年)からこの会社と業務提携し、製造体制の安定化と販路の拡大を行ってきた。2015年(平成27年)には美郷町にクイージの支店が開設され、2016年(平成28年)4月からイノシシ肉を使った缶詰の製造を開始している。

株式会社クイージ美郷支店は、1968年(昭和43年)に建てられ2011年に閉園となった保育所の建物をリノベーションして使用している。玄関には「乙原保育所(おんばらほいくしょ)」と書かれた看板、両サイドには「おおち山くじら缶詰製造工場」「株式会社クイージ美郷支店」の看板が出迎えてくれる。保育所の給食室は缶詰工場になり、保育室が事務所として活用されている。保育所当時から飾りつけられている壁絵が当時の雰囲気をそのまま残している。これまでもあるものを活用してきた美郷町らしい取り組みである。

鎖した保育所を活用した缶詰製造加工場とクイージ美郷支店。 イノシシの処理施設と同様に地域にある遊休施設を活用している

イノシシの残渣は飼料化

イノシシを解体した場合、その全てを食用として販売することは難しい。美郷町の場合、以前解体の際に出た骨や腱、内臓などの残渣は産業廃棄物として処分するしかなく、1kgあたり50円を支払い、処理業者に処分を依頼していた。

しかし、平成28年9月に「飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令」の一部が改正されたことにより、それまで使うことの出来なかったイノシシに由来するタンパク質を飼料として利用することが可能となり、これを機に美郷町ではいち早く飼料化に取り組むことになった。

なお、飼料化が可能になったが、飼料化にあたっては省令の基準を遵守し、飼料の安全性を確保する必要がある。

このため、イノシシ由来たん白質を飼料利用するためには、BSE対策の観点から、飼料原料に牛の特定危険部位等が混入することを防止するとともに、牛用飼料に動物由来たん白質等が混入することを防止することが重要である。また、家畜衛生や畜産物の安全確保の観点から、家畜伝染性疾病に感染している疑いのある個体や鉛製銃弾の除去等の管理も重要となる。

イノシシ由来たん白質の飼料利用に伴うリスク管理措置ポイント

イノシシ由来のたん白質を飼料に利用するには、いくつかのポイントがあるが、美郷町ではどのように対応しているのだろうか。
●捕獲前に既に死亡していたイノシシや外見及び挙動に異常が認められるイノシシは、飼料利用しない。
➡当たり前のことではあるが、病死が疑われたり、病気が疑われる個体は利用しない。もちろん美郷町でもこのような個体は利用しない。
●狩猟者は、捕獲したイノシシを他の野生鳥獣と分別して、食品衛生法に基づく都道府県知事の許可を受けて食肉処理業を営む者がイノシシ等の野生鳥獣の解体処理を行う施設(以下「獣肉処理施設」という。)又はレンダリング事業場に運搬する。
➡美郷町の処理施設ではイノシシのみを解体処理しているので、イノシシと他の野生動物と混ざることはない。
●獣肉処理施設は、イノシシと他の野生鳥獣の処理工程を分離するとともに、イノシシの処理残さを分別管理する
➡これも前述のとおり美郷町ではイノシシのみを処理しており、他の野生鳥獣と処理工程が混ざることはない。
さらに美郷町の場合は、色分けされたビニール袋で残渣を分類した後、ストッカーも分けて保存している。また皮革利用の原皮を保管していた場所(処理施設と別の建物)を活用し専用の保管場所としている。このストッカーに200〜300kgほど原料が溜まったところで、広島県のレンダリング業者に回収を依頼している。
●獣肉処理施設は、イノシシの処理残さを出荷する際に原料供給管理票を添付する
➡適切に処理されている。
●イノシシ由来たん白質を豚等用飼料に利用するためには、肉骨粉等の製造段階において、事前に、原料受入の分別状況等に関する農林水産大臣の確認が必要(既に豚由来たん白質の大臣確認を受けている場合は、原料収集先の変更の届出が必要)
➡適切に処理されている。
●イノシシを捕獲する狩猟者がイノシシを直接レンダリング事業場に運搬する場合には、イノシシ以外の動物の混入がないことが目視で確認できるもののみ利用可能
➡適切に処理されている。
●イノシシの体内に残存する銃弾は、狩猟者又は獣肉処理事業者が確実に除去した上でレンダリング事業場に運搬する
➡美郷町では生体搬送したあと止め刺しを行うがこの時、銃は使わない。また、銃による止め刺しをした個体が持ち込まれたときは、着弾部分の除去を行っている。
●レンダリング事業場以降は、現行の豚由来たん白質と同等に管理
➡適切に処理されている。

飼料に使えない部分はこれまでどおり産業廃棄物として処理していたが、この飼料化が軌道にのれば、これまで廃棄物処理にかけていた費用を低減できると期待されている。

事業を継続していくこと

冒頭で述べたとおり美郷町は高齢化が進んでおり、山くじらの取り組みについても、いわゆる担い手、事業承継は重要な課題である。そこで町は2014年(平成26年)に定住を視野に入れ、後継者として従事してもらうことを目標に、地域おこし協力隊を迎え入れた。協力隊のミッションは、山くじらを地域ブランドとした「地域の活性化」であった。

隊員は任期の間、新たな雇用を生み出すことを目標におおち山くじら生産者組合で活動を展開した。隊員の努力はもちろんのこと、地域住民の協力もあり、協力隊など3名が定住した。

若者の定住と企業の誘致により、事業承継の目処がたち、2017年(平成29年)におおち山くじら生産者組合(2018年2月に解散)の事業は、新会社である株式会社おおち山くじらに引き継がれた。

「この仕事を続けて、みんながちゃんと生活ができるようにしたい」地域おこし協力隊を経て定住した森田氏
缶詰はスジ肉や夏場の脂の少ない肉を活用。洗練された味で人気が高い

 

山くじらを軸にひろがる地域のチカラ

美郷町ではイノシシを軸に、地域にあるものを探し、それを組み合わせて融合し、新しいものを生み出すことで地域を活性化している。

かつて「害獣」として憎まれ役だったイノシシは、資源化されて“山くじら”となり、住民を笑顔にし、雇用を生み、地域住民のつながりを強いものにした。獣害対策としては、被害がなくなることがゴールのように思える。しかし、「獣害対策にゴールはない」と、美郷町役場の安田亮氏は言う。また、「現状のベストの状態から高齢化がすすみ、耕作放棄地も増えることが予想され、獣害対策も手薄になってしまう。このため、獣害対策と地域づくりには密接な関係にあり『持続可能な町づくり』が重要なのだ」と言う。つまり住民がキラキラと輝き、評価される環境にし、活気を持続させることである。獣害対策は地域活性化とイコールで、地域住民に活気がなければ獣害に立ち向かえない。

全国から獣害に負けない小さな町に視察が訪れる(中央は安田氏)。

美郷町は「自力で解決できなければ意味がない」と、住民主体で対策に取り組んできた地域であり、少しずつ身の丈にあったことを行ってきた。そして『自分たちの力で畑を守る』という成功体験を積み重ねてきたことが地域住民の誇りと自信となってきた。この自信は新たな取り組みに向かう原動力となっており、それがまた地域の活性化につながっている。

(所属・団体名等は取材当時2017年12月のものです)


参考文献

江口祐輔監修(2013)『最新の動物行動学に基づいた津物による農作物被害の総合対策』誠文堂新光社.

小寺祐二 編著(2011)『イノシシを獲る』農山漁村文化協会.

安田亮(2008)「猟友会から農家主体へ、駆除班を再編」『現代農業』2008年11月号,pp220-224,農山漁村文化協会.

安田亮(2008)「夏場の肉が臭くない秘密は『運送箱』」『現代農業』2008年12月号,pp216-219,農山漁村文化協会.

安田亮(2009)「イノシシ肉の特産化で人が育った」『現代農業』2009年1月号,pp222-225,農山漁村文化協会.

安田亮(2012)「地域の物語を添えて イノシシの皮革製品を商品化」『現代農業』,2012年11月号,pp348-351,農山漁村文化協会.

安田亮(2011)「イノシシ 害獣イノシシを地域資源の『山くじら肉』に変えた捕獲方法と解体方法」『食品加工総覧』第12巻,32-2,農山漁村文化協会.

写真提供:安田亮

美郷町 山くじらブランド推進課

株式会社 おおち山くじら

 

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