いわし漬

連載日本の食生活全集

2020年12月09日

聞き書 広島の食事 中部台地の食より

大根と大根葉は大きくきざむ。小いわしはきれいに洗い、頭も腹わたもつけたまま、一斗がめに大根や大根葉と交互に重ね、一並べごとに塩ととうがらしをふって漬けこむ。十一月に漬け、十二月から翌年二月ころまで食べる。
かめからとり出し、いりいで焼いたり煮たりして食べる。これさえあれば、ほかのおかずはいらない。

写真:いわし漬を煮る 2か月ほど塩漬けしたいわし漬を、かめからとり出して煮る。正月前後の日常食である。

出典:神田三亀男 他. 日本の食生活全集 34巻『聞き書 広島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.143-143

関連書籍詳細

日本の食生活全集34『聞き書 広島の食事』

神田三亀男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870668
発行日:1987/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 382頁

"耕して天に至る"瀬戸内の島の味の基本はひしお味噌、広島湾のかきには「いろは48種」の料理。備北山地では日本海のわにが、芸北山間では石州からの魚が食卓を飾る。
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