聞き書 佐賀の食事 有田(焼きものの里)の食より
おくんち、正月の二十日えびすなど、めでたいことのある日につくる、たいの姿煮である。
たい一尾が入る大きさのなべにこんぶを敷き、水一、酒一、醤油一の割合で合わせた煮汁に砂糖を少し加えて煮たてる。うろこ、えら、はらわたをとったたいをそっと入れて煮る。あまり強く煮たてると形がくずれるので火加減に注意する。途中で煮汁をすくっては、たいにかけてやる。
出典:原田角郎 他. 日本の食生活全集 41巻『聞き書 佐賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.251-251