聞き書 神奈川の食事 みなと横浜と古都鎌倉の食より
■お花見―卵やハムのサンドイッチ
温かい風が吹くようになり、本牧にある横浜の名園三渓園から桜の便りが聞かれるころになると、バスケットにサンドイッチを入れ、家族そろって三渓園へお花見に出かける。サンドイッチは、食パンに卵、ハム、ソーセージなどをはさむ。三渓園までは距離もあり、遊びまわったあとで食べるサンドイッチはこのうえなくおいしい。
潮どきのよいときは、三渓園前の遠浅の海に入って潮干狩りをする。とれたあさりは一晩砂を吐かせて、翌朝の味噌汁の実に登場する。
写真:お花見のお弁当
バスケットにサンドイッチや果物を入れて。
出典:遠藤登 他. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.31-32