暑い日は、どんじょ入りのそうめん汁―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年08月20日

聞き書 香川の食事 西さぬきの食より

夕ごはん―麦飯、どんじょ入りそうめん汁、からす貝の煮つけ、こんこ
暑い夏の夕食は、大きななべいっぱいに炊いたそうめん汁。中にはなすび、そうめんと、頭は小さく丸々と腹がふくらんだどんじょが入っている。汗をたらたら流しながら、「どんじょは腹薬になるから食べよ」と子どもにも食べさせる。小さい子どもには、どんじょの頭を持ってはしでしごいてやる。大人は頭からみんな食べる。
夏にはため池の水が少なくなるので、水浴びもかねて池の中に入り、からす貝をとってくる。これをいでて、身をとり出してよく洗い、細かく切って砂糖と醤油で煮つける。

写真:夏の夕ごはん
上:煮つけ、こんこ/下:麦飯、そうめん汁(どじょう、たまねぎ、ねぎ入り)

 

出典:井上タツ 他. 日本の食生活全集 37巻『聞き書 香川の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.223-224

関連書籍詳細

日本の食生活全集37『聞き書 香川の食事』

井上タツ 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900068
発行日:1990/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

じゃこだしで食べるさぬきうどん、さわらでつくる魚ばっつおのごちそう、行事に欠かせない鮒のてっぱい。讃岐三白の伝統をひく食べものと溜池からの恵みを聞き書きする。
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