聞き書 徳島の食事 阿南海岸(阿部)の食より
■昼―麦飯、あじの塩焼き、はげの味噌汁、古たくあん
秋の日ざしで干されたあじや、とりたてのあじ、さば、いわしを塩焼きにして食べる。あじは飽きのこない魚で、つねに膳にのぼる。焼き魚には、大根おろしを添えるといちだんとおいしい。味噌汁の実はなんといっても白身魚のはげが一番。一人が一尾といわず、味噌汁をおかわりして二尾も三尾も食べる。豊漁の秋は魚ずくめの食事である。
写真:秋の昼飯
上:あじの塩焼き、古たくあん/下:麦飯、はげの味噌汁
出典:立石一 他編. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.184-186