聞き書 兵庫の食事 播磨山地の食より
■さなぼり、野休み
田植えがすむとほっとひと息できる。各家で行なうのがさなぼりで、村中が休むのが野休みである。さなぼりには、家中でわらび入りのにごみ(炊きこみごはん)と、塩いわしを焼いたもの、ちくわとすずこの煮つけを食べる。野休みにはばたこをつくる。かしわの葉がないときは、うまぐい(さるとりいばら)の葉、笹の葉を使う。嫁さんはばたこを持って里帰りができるので、楽しみにしている。
写真:さなぼりのごちそう
すずのことちくわの煮つけ、塩いわし、わらび入りのにごみ(炊きこみごはん)、お酒
出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.166-167