さなぼりはわらび入りにごみ、野休みにはばたこ―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2022年06月15日

聞き書 兵庫食事 播磨山地の食より

さなぼり、野休み
田植えがすむとほっとひと息できる。各家で行なうのがさなぼりで、村中が休むのが野休みである。さなぼりには、家中でわらび入りのにごみ(炊きこみごはん)と、塩いわしを焼いたもの、ちくわとすずこの煮つけを食べる。野休みにはばたこをつくる。かしわの葉がないときは、うまぐい(さるとりいばら)の葉、笹の葉を使う。嫁さんはばたこを持って里帰りができるので、楽しみにしている。

写真:さなぼりのごちそう
すずのことちくわの煮つけ、塩いわし、わらび入りのにごみ(炊きこみごはん)、お酒

 

出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.166-167

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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