とれたてのいもと新米のごはんに舌つづみ―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年11月01日

聞き書 鹿児島の食事 南薩摩漁村の食より

昼―新いも入り麦飯、魚の煮つけ、高菜漬
ととさんは朝早く漁から帰ってくる。魚市場に出したあとの小さな魚やさばなどを持ち帰ってくるので、かかさんは畑に出かける前にそれを煮つけておく。このころから魚はだんだんおいしくなる。ねぎと一緒に味噌で煮つけると煮汁もおいしい。いも掘りで忙しい時期なので、奮発して豆腐を買って入れることもある。
この時期は秋の農作業をこなすため、昼でも麦飯を炊く。魚のかてもんと一緒にたくさん食べて精を出す。

写真:秋の昼食
新いも入り米ん飯、高菜漬のけずり節かけ、魚の煮つけ(さば、豆腐、ねぎ)

 

出典:岡正 他編. 日本の食生活全集 46巻『聞き書 鹿児島の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.70-71

関連書籍詳細

日本の食生活全集46『聞き書 鹿児島の食事』

岡正 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890055
発行日:1989/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

鹿児島は南方食文化の北端。いも・鶏・糸瓜・豚の調理に南方の食習慣が息づく。海上の味=ヤポネシア構想の主舞台の陽光あふれる南国の味。
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