聞き書 宮城の食事 北上丘陵の食より
■夕―まんがはっと、かぼちゃの煮つけ、白菜漬
米の食いのばしのため、家でつくるそば粉と小麦粉が主役となる日も多い。まんがはっとは、そば粉を手打ちそばと同様にめん棒でのばし、短冊形に切ったものである。この形が代かきに使うまんが(馬鍬)の歯に似ているので、「まんがはっと」の名がついた。骨つきのうさぎ肉でだしをとった汁にきのこを入れ、醤油で味つけして、はっとを入れて煮こみ、ねぎを入れてできあがりである。だしにはきじや鶏も使われる。
はっとをつくるときは、おかずは簡単なものにするのがふつうで、かぼちゃの煮つけや漬物ていどである。かぼちゃは夏に収穫して貯蔵しておき、十二月ころまで食べる。
写真:冬の夕食
まんがはっと、かぼちゃの煮つけ、白菜漬
出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.168-171