うさぎやきじの肉を入れた、まんがはっと─日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年11月22日

聞き書  宮城の食事 北上丘陵の食より

夕―まんがはっと、かぼちゃの煮つけ、白菜漬
米の食いのばしのため、家でつくるそば粉と小麦粉が主役となる日も多い。まんがはっとは、そば粉を手打ちそばと同様にめん棒でのばし、短冊形に切ったものである。この形が代かきに使うまんが(馬鍬)の歯に似ているので、「まんがはっと」の名がついた。骨つきのうさぎ肉でだしをとった汁にきのこを入れ、醤油で味つけして、はっとを入れて煮こみ、ねぎを入れてできあがりである。だしにはきじや鶏も使われる。
はっとをつくるときは、おかずは簡単なものにするのがふつうで、かぼちゃの煮つけや漬物ていどである。かぼちゃは夏に収穫して貯蔵しておき、十二月ころまで食べる。

写真:冬の夕食
まんがはっと、かぼちゃの煮つけ、白菜漬

 

出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.168-171

関連書籍詳細

日本の食生活全集4『聞き書 宮城の食事』

竹内利美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890062
発行日:1990/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

米どころ宮城は旧伊達藩以来の米どころで、もちの多彩な食べ方を誇る。三陸海岸では四季いろいろな魚貝がとれ、浜の人たちだけでなく、内陸の人々の食膳もにぎわす。
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