聞き書 神奈川の食事 足柄山間の食より
■朝飯――麦飯、味噌汁、金山寺味噌、漬物
「仕事が食べる」といわれるように、からだを使う男たちは五合飯を食べる。三升釜いっぱいに炊く麦飯にあわ、ひえを入れて変化をつける。
味噌汁には、田のあぜなどに生えている半ば野生の春の菜やわかめを使う。たくあんは塩のあんばいをいろいろにしてたくさん漬けてあるが、五月菜(高菜に似た山北地方の菜)がとれれば塩漬も目新しくておいしい。
写真:春の朝飯
上:たくあん漬、金山寺味噌/下:麦飯、味噌汁(里芋、ねぎ)
出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.223-224