いお飯

連載日本の食生活全集

2023年03月27日

聞き書 愛媛の食事 燧灘沿岸と魚島の食より


たい飯のことで、米麦の上にこんぶをのせ、ぶつ切りにしたたいの切身をのせて炊く。ほかににんじん、油揚げを少量加え、塩と醤油で味をつけて炊く。できあがると、こんぶをとり出して魚の身と骨をより分け、身だけを飯に混ぜて茶わんにつぐ。
豊富に出まわる春のたいを多く使うので、どちらかといえば春の料理としておいしく食べられる。もちろん、なにかの行事のときにもつくる。

写真:たいを入れた春のごはん「いお飯」

 

出典:森正史 他編. 日本の食生活全集 38巻『聞き書 愛媛の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.326-326

関連書籍詳細

日本の食生活全集38『聞き書 愛媛の食事』

森正史 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880452
発行日:1988/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

魚あふれる瀬戸内、宇和の海。春はいだが川面をさかだて夏はあゆが水底に踊る肱川。五穀ゆたかな山間の田畑。海、山、川、平野の四季の移ろいと暮らし、食をつぶさに描く。
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