いわしの刺身は海辺の暮らしの味――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年10月03日

聞き書 兵庫食事 淡路の食より

朝ごはん――麦飯、味噌汁、目刺し、大根葉の塩もみ
目刺し(いわしの丸干し)をさっと焼いて大根おろしで食べる。漬物のかわりに大根葉の塩もみをつける。
漁師は日の出前に出漁するので、朝、麦飯を炊いて、木の小さなお櫃に入れて弁当に持たせる。梅干しの種には天神さんが宿ってござるから、海にすてないで必ず持ち帰る。まぐらみ(夜明け前の薄暗がり)に魚がよく釣れる。
主婦は子どもたちを学校に送り出してからもんぺに着がえ、畑にゆく。

写真:秋の朝ごはん
上:目刺しと大根おろし、大根葉の塩もみ/下:麦飯、豆腐とねぎの味噌汁

 

出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.301-302

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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