聞き書 山形の食事 県南置賜の食より
お盆に必ず仏さまにお供えするのが、じんだんもちである。また仏事だけでなく、夏から秋にかけてのもち行事にもよくつくられる。
枝豆をゆでてさやの中から豆をはじき出し、すり鉢ですりつぶす。粒のまますり鉢に入れるとなかなかつぶすのに大変なので、あらかじめ包丁できざんでからすりつぶす。白砂糖と少量の塩で味をととのえる。
美しい草色のこの衣を、じんだんという。これにもちを入れるとじんだんもち、ささぎやにんじん、なすなどをゆでてあえると、じんだんあえとなる。ただ、いたみやすいので、多くはつくらない。
出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.177-178