じんだんもち

連載日本の食生活全集

2020年07月13日

聞き書 山形の食事 県南置賜の食より

お盆に必ず仏さまにお供えするのが、じんだんもちである。また仏事だけでなく、夏から秋にかけてのもち行事にもよくつくられる。
枝豆をゆでてさやの中から豆をはじき出し、すり鉢ですりつぶす。粒のまますり鉢に入れるとなかなかつぶすのに大変なので、あらかじめ包丁できざんでからすりつぶす。白砂糖と少量の塩で味をととのえる。
美しい草色のこの衣を、じんだんという。これにもちを入れるとじんだんもち、ささぎやにんじん、なすなどをゆでてあえると、じんだんあえとなる。ただ、いたみやすいので、多くはつくらない。

 

出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.177-178

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
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