聞き書 石川の食事 能登外浦(鵜入)の食より
えごは海水または真水でもみ洗いして、天日乾燥させる。夏の間、この作業を何回もくり返し、たくさん貯蔵しておいて年中利用する。
えごをなべに入れ、ひたひたになるていどに水を加えて煮る。煮たったら、弱火にしてそろそろと煮溶かす。完全に溶けたら小さい折に入れて冷やす。固まると切って、きな粉と砂糖をまぶして食べる。冷たくて口当たりがよいので、夏の間食に最高で、お盆の墓まいり客も、えご羊かんをよばれるのが楽しみである。
出典: 守田良子 他. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.298-298