うりもみ、なすびの灰焼き

連載日本の食生活全集

2020年09月23日

聞き書 三重の食事 伊賀盆地の食より

夏から秋にかけては、きゅうりやなすびが豊富に収穫できる。
きゅうりは小口切りにして塩もみし、豆麩を加えて、酢、砂糖、ときにはからし、ごまを入れて味つけして、うりもみをつくる。
なすびは、そのまま灰の中で丸焼きにし、皮をむいてしょうがだまりで食べる。これを、なすびの灰焼きという。
また、なすびといんげんをゆでて、黒ごまやけずりこ入りの味噌であえたり、こぼいもや揚げ(油揚げ)と一緒に煮つけにもする。
きゅうりとなすびは、どぼ漬(ぬか漬)や塩漬、からし漬などにしてもおいしい。夏の暑い盛りの食事にぴりっときいて、涼しさを与えてくれる。

写真:なすびの灰焼き

 

出典:西村謙二 他. 日本の食生活全集 24巻『聞き書 三重の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.138-138

関連書籍詳細

日本の食生活全集24『聞き書 三重の食事』

西村謙二 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870019
発行日:1987/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 366頁

伊勢平野の世例祭、紀伊山間の山の神、伊賀のめし食い祭、志摩のお盆料理などの食べものをはじめ、伊勢神宮の神饌、お伊勢参りの食も紹介される。日常の食も豊富。
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