聞き書 福井の食事 福井平野の食より
鮮紅色の赤かぶらは、酢のもの、ぬか漬、塩漬のいずれにも適している。どの農家でも、雑煮にする青かぶらと、この赤かぶらと両方を植えている。
かぶら中五個は四つ割りにして薄く切り、塩をしてしばらくおき、水気をしぼる。酢五勺、砂糖さかずき二杯、塩少々を合わせて三杯酢をつくり、かぶらを漬ける。赤いきれいな酢のものができる。冬の間の食べものである。
出典:小林一男 他. 日本の食生活全集 18巻『聞き書 福井の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.53-53