聞き書 石川の食事 能登山里(徳成)の食より
貝焼きとは、野菜や魚などの材料を、あわびの殻をなべがわりにして煮た料理のことである。いしりはいかの内臓を発酵させてつくる魚醤の一種で、水で薄めたものを貝焼きの煮汁によく使う。
夏から秋はなすを薄く切って煮て食べると、食のすすまない暑いときはおいしい。秋から冬にかけては、大根や大根葉、ゆでた干し菜を煮る。
写真:いしりの貝焼き(大根葉)と干し菜(右)
出典:守田良子 他. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.244-244