聞き書 宮城の食事 船形山麓の食より
雑煮には、松島湾名産の焼きはぜと、はらこ(鮭の卵)が欠かせない。
大根、にんじん、ごぼうなどを包丁でせんにひき、さっとゆでて一晩、寒い場所に置き、凍みらせる。干したからどり(赤芽いもの茎)は水にもどす。
焼きはぜでだしをとり、はぜは、別にとっておく。凍みた野菜とからどりをはぜのだし汁で煮て、醤油で味つけし、焼いたもちを入れる。
わんにもちを盛り、野菜をのせ、塩漬のはらこを散らす。その上にわんからはみ出るほどの焼きはぜと、せりをのせて出す。
写真:焼きはぜをのせた正月雑煮
出典:竹内利美 他. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.238-238