正月雑煮

連載日本の食生活全集

2020年12月15日

聞き書 宮城の食事 船形山麓の食より

雑煮には、松島湾名産の焼きはぜと、はらこ(鮭の卵)が欠かせない。
大根、にんじん、ごぼうなどを包丁でせんにひき、さっとゆでて一晩、寒い場所に置き、凍みらせる。干したからどり(赤芽いもの茎)は水にもどす。
焼きはぜでだしをとり、はぜは、別にとっておく。凍みた野菜とからどりをはぜのだし汁で煮て、醤油で味つけし、焼いたもちを入れる。
わんにもちを盛り、野菜をのせ、塩漬のはらこを散らす。その上にわんからはみ出るほどの焼きはぜと、せりをのせて出す。

写真:焼きはぜをのせた正月雑煮

 

出典:竹内利美 他. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.238-238

関連書籍詳細

日本の食生活全集4『聞き書 宮城の食事』

竹内利美 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890062
発行日:1990/02
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

米どころ宮城は旧伊達藩以来の米どころで、もちの多彩な食べ方を誇る。三陸海岸では四季いろいろな魚貝がとれ、浜の人たちだけでなく、内陸の人々の食膳もにぎわす。
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