たらこのこぶ巻き

連載日本の食生活全集

2020年12月23日

聞き書 石川の食事 金沢商家の食より

正月料理の向付に必ずつくられる。
幅広のこんぶはきれいにふきんでふいておき、たらこを一房に切って生のままをこんぶでゆるめに二巻きほどして、すげか竹の皮を細く裂いたもので三か所結ぶ。
なべにだしこぶを敷いて、醤油、酒、水を入れてわかし、こんぶで巻いたたらこを入れて、ことことゆっくり煮こむ。煮えてきたら、赤砂糖を加えてゆっくり煮あげる。
盛りつけるときは食べやすい大きさに切り、切り口が見えるように並べる。紅白のはべん(かまぼこ)、お多福豆、みかん、栗の甘露煮またはべろべろなどと一緒に、いろどりを考えながら盛りつける。

写真:正月料理の向付、たらこのこぶ巻き

 

出典:守田良子 他. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.49-49

関連書籍詳細

日本の食生活全集17『聞き書 石川の食事』

守田良子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880094
発行日:1988/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

四季折々の素材をこまやかな味わいに仕上げる古都・金沢の食、焼畑からの雑穀、山菜、木の実、熊など獣が食卓をにぎわす白山麓の食など「加賀百万石」の地の多彩な食の数々。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事