聞き書 岐阜の食事 美濃(御嵩)の食より
煮あえは大根を酢味で煮た料理で、煮なますともいい、冬のおかずによくつくる。正月料理の一つでもあり、とくにもちを食べたあとには、必ずといってよいほど食べる。
材料は、大根のほか、にんじん、油揚げ、青板こんぶを用意する。大根一本の皮をとり、太めのせん切りに切る。これに熱湯を通してあく抜きし、ざるに上げておく。油揚げ五枚と、にんじんは大根の一割ほどを、同じように短冊に切る。青板こんぶは一度水につけてさっと洗い、ふきんでふいて、やはり同じ大きさに切る。
なべに油をさかずきに一杯ほど入れて熱し、大根、にんじん、こんぶを入れて炒める。よく炒まったら油揚げも入れ、八分どおり火が通ったところへ、酢を茶わんに半分、砂糖さかずき一杯半、塩一つまみを入れて五分ほど煮る。
写真:正月料理としても必ずつくる。
出典:森基子 他. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.199-200