煮あえ

連載日本の食生活全集

2020年12月24日

聞き書 岐阜の食事 美濃(御嵩)の食より

煮あえは大根を酢味で煮た料理で、煮なますともいい、冬のおかずによくつくる。正月料理の一つでもあり、とくにもちを食べたあとには、必ずといってよいほど食べる。
材料は、大根のほか、にんじん、油揚げ、青板こんぶを用意する。大根一本の皮をとり、太めのせん切りに切る。これに熱湯を通してあく抜きし、ざるに上げておく。油揚げ五枚と、にんじんは大根の一割ほどを、同じように短冊に切る。青板こんぶは一度水につけてさっと洗い、ふきんでふいて、やはり同じ大きさに切る。
なべに油をさかずきに一杯ほど入れて熱し、大根、にんじん、こんぶを入れて炒める。よく炒まったら油揚げも入れ、八分どおり火が通ったところへ、酢を茶わんに半分、砂糖さかずき一杯半、塩一つまみを入れて五分ほど煮る。

写真:正月料理としても必ずつくる。

 

出典:森基子 他. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.199-200

関連書籍詳細

日本の食生活全集21『聞き書 岐阜の食事』

森基子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900044
発行日:1990/05
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

飛騨は山の恵み、美濃は川の恵み豊かな国。米と繭の国だが、雑穀や山菜、木の実も大切な食糧。味噌・漬物・どぶろくなど発酵食品がよく発達している。山・川の恵みを受けた八つの地区の暮らしと食を収録。
田舎の本屋で購入

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