たらの子あえ

連載日本の食生活全集

2021年01月20日

聞き書 青森の食事 津軽の食より

下味をつけて煮た大根、凍み豆腐、糸こんにゃく、にんじんを、たらのこで白い粉が吹くように、きりっとあえたものを子あえという。なかなかのごちそうである。
えらに縄を通して雪道を引きずるほどの大だらの腹には、一貫を超すたらのこが二つの黒い袋に入っている。持って帰ったら、さっそく甘塩にして保存する。
これに包丁を入れると、中心部が薄紅色で、まわりがべっこう色の粒子がきらきらしている。
このまま醤油と酒でさっと味をつけ、二、三日おき、熱いごはんにのせて食べてもよい。
たらの子あえは、材料をせん切りにして、大根、にんじんはさっとゆでておく。これらをまず少量の酒で煎り、醤油で味をつけ、汁気がなくなるまでさらに煎り、たらこをほぐしながら加え、火を通して仕あげる。

 

出典:森山泰太郎 他. 日本の食生活全集 2巻『聞き書 青森の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.64-64

関連書籍詳細

日本の食生活全集2『聞き書 青森の食事』

森山泰太郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860324
発行日:1986/08
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

二つの藩の伝統を受けつぐ青森県は、二つの半島、三つの海、三つの山脈を頂く。特色ある六つの地域で海の幸・山の幸の四季おりおりのくらしと料理法をちみつに聞き書き。
田舎の本屋で購入

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