聞き書 山形の食事 山形の歴史風土と食事より
塩を入れた熱湯で、ひと煮たちさせたうこぎを水にとり、さらしてあくを抜く。固くしぼってよく水気をとる。うこぎの半分をまないたにとり、薄く平らに敷き、味噌をその上に平らにのせる。
さらに残りのうこぎをその上に広げて、包丁で縦横にみじん切りにする。細かくなったら、どんぶりに盛る。これに白油(えごま)を炒ってすったものを混ぜ合わせることもある。
うこぎはゆですぎないようにして、ぱらぱらと、ふりかけのようにできあがるのがよく、熱い飯にかけて食べるとうまい。
写真:うこぎの切りあえ
郷土集落の春ならではの香りをのせて。
出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.313-314