聞き書 大分の食事 くじゅう高原の食より
■朝飯―とうきび飯、味噌汁、たかな漬
延享のころ(一七四〇年代)からとうきびを栽培していたこの地域では、一年中朝も昼も夜もとうきび飯である。
味噌汁は切干し大根とみつば、ときにはせりやみょうがだけを入れる。そろそろ、たくあんや白菜漬に飽きた食卓に、たかな漬を大きなこんこ鉢に山盛りに盛って出す。みつばやたかなの青々とした香りに春を感じる。
写真:春の朝飯
とうきび飯、味噌汁(里芋、たかな)、たかな漬
出典:波多野道義 他. 日本の食生活全集 44巻『聞き書 大分の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.155-156