聞き書 宮城の食事 仙北・大崎耕土の食より
田植えのたばこ休みの焼ぎ飯(にぎり飯)には、にしんの味噌煮を必ず添える。
にしんは一本七寸くらいのものを二つ切りにして、米のとぎ汁に一晩か二晩うるかして渋を抜く。たけのこと合わせて味噌煮にすることが多いが、甘露煮風にすることもある。
焼ぎ飯をほおばりながら手皿に受けたにしんの味噌煮は、どぶともよく合って、田植えのたばこ休みならではの味である。
出典:竹内利美 他. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.53-53