聞き書 沖縄の食事 糸満の食より
■朝―うむ、とうがんの汁、らっきょう漬
とうがんは夏野菜として昔から使われ、汁もの、煮もの、酢のものと幅広く利用される。汁にするときは、とうがんを薄く切って炊き、味噌で味をつける。豚脂とねぎも少し入れる。ちしゃなも「夏負けの薬」になるといって、味噌汁の実にしてよく食べる。
らっきょうは五月に収穫し、夏の漬物として浅漬にしたり、黒砂糖と酒で大きなかめに漬けこんだりする。黒砂糖漬はたえず黒砂糖を足して漬け汁をつくり、長年もたせるのが主婦のつとめである。朝のうむのおかずには浅漬をよく食べる。
写真:夏の朝食
うむ、らっきょう漬、とうがんの汁
出典:尚弘子 他. 日本の食生活全集 47巻『聞き書 沖縄の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.77-78