とうがんやへちまを汁の実に―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年06月15日

聞き書 沖縄の食事 糸満の食より

朝―うむ、とうがんの汁、らっきょう漬
とうがんは夏野菜として昔から使われ、汁もの、煮もの、酢のものと幅広く利用される。汁にするときは、とうがんを薄く切って炊き、味噌で味をつける。豚脂とねぎも少し入れる。ちしゃなも「夏負けの薬」になるといって、味噌汁の実にしてよく食べる。
らっきょうは五月に収穫し、夏の漬物として浅漬にしたり、黒砂糖と酒で大きなかめに漬けこんだりする。黒砂糖漬はたえず黒砂糖を足して漬け汁をつくり、長年もたせるのが主婦のつとめである。朝のうむのおかずには浅漬をよく食べる。

写真:夏の朝食
うむ、らっきょう漬、とうがんの汁

 

出典:尚弘子 他. 日本の食生活全集 47巻『聞き書 沖縄の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.77-78

関連書籍詳細

日本の食生活全集47『聞き書 沖縄の食事』

尚弘子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880070
発行日:1988/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 400頁

世界に冠たる長寿の島、沖縄の暮しの中の食を徹底的に紹介。豚肉、油脂をたっぷりとり入れた食事は本土と異なる。東南アジアにつらなる琉球弧の料理と調理法を写真とともに再現。
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