忙中のひと休みと収穫期への備え―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年06月30日

聞き書 岩手の食事 県央の食より

休日
虫追い祈願の日をずい虫祭りといって、田の草取りの二番ごが終わったあと、雨降りの日を選んで農休みのふれがまわる。この日は、小豆だんごをつくって田の神に供えて食べ、また、子どもたちは「ひねっこ」というお菓子をもらえる日である。七月七日は七日日といって休み、この日は七回水浴びし、七回着物をとりかえるとよいといわれている。
そうめん、またはうどんを煮て、お歳神さまに供える。汁は醤油か澄ましを使い、はしりのみょうがを散らす。それに小豆入りのかま焼きをつくり、きゅうりなます、きゅうりの当座漬などを添える。

写真:七夕の日の食事
上:かま焼き/中:(左から)きゅうりの塩漬、きゅうりなます/下:(左から)手打ちうどん、うどんつゆ(みょうが)

 

出典:古沢典夫 . 日本の食生活全集 3巻『聞き書 岩手の食事』. 農山漁村文化協会, 1984, p.133-135

関連書籍詳細

日本の食生活全集3『聞き書 岩手の食事』

古沢典夫 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540840227
発行日:1984/09
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

県北の雑穀文化圏・県央の粉食文化圏・県南のもち文化圏・海の幸豊かな三陸沿岸・山の幸の奥羽山系の5地域に分け、地域毎に紹介。日本人の食の原型を見ることができる。
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