たらいうどん

連載日本の食生活全集

2021年07月19日

聞き書 徳島の食事 吉野川北岸の食より

夏の祗園さんをはじめ、人の集まりには必ずといっていいほど食べるうどんである。
粉一貫目で打つときは、一升の水に塩を茶わんに軽く一杯ほど入れて塩水をつくり、粉に入れて混ぜる。こねてこねて、三〇分ほどこね、ふ(ねばり)が出て手にくっつかなくなると大きな板の上にとり、めん棒でのばす。何回もくり返しながら、一分ほどの薄さになったら折りたたみ、なぎたん(包丁)で細く切り、大釜でゆでる。
大釜でゆでると、たらいのように大きなはんぼに移し、熱いうどんをねぎの薬味で、じんぞく(かまつか)でとっただしにつけて食べる。

 

出典:立石一 他. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.41-41

関連書籍詳細

日本の食生活全集36『聞き書 徳島の食事』

立石一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900075
発行日:1990/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

祖谷そばにたらいうどん、いろりのそばで香りたつでこまわし。渦潮にもまれて育つ魚やわかめ。海・山のバラエティ豊かな暮らしと食を祭事とともに再現。藍商人の食事も再現。
田舎の本屋で購入

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