地域おこし協力隊員が鳥獣被害対策をリード

連載鳥獣被害対策

2020年01月08日

日野郡3町が共同で進める鳥獣被害対策

鳥取県日野郡(図1)は岡山県に隣接し、林野面積が9割に迫る山間地域で、標高が200~600m。豊かな水に恵まれ、おいしいお米の生産地として知られている。しかしながら、高齢化率は全国平均より高い鳥取県平均の30.3%(全国平均は27.7%/平成29年10月現在)をも大きく上回り、3町平均で48.2%にもなる(表1)。今後、地域の農業やコミュニティを維持していくうえで担い手不足が大きな問題となっているが、鳥獣被害対策にあたっても防護柵を設置する人手が確保できないなど、高齢化が障害の一つになっている。

日野郡の鳥獣被害の実態をみると、加害獣の中で最も被害の大きなものがイノシシで、畦畔の掘り返しや水稲の食害などの被害が日野郡全域に及んでいる。また、ニホンザルについては被害が一部地域で短期間ではあるが、畑作物に集中的に被害が発生している。鳥取県でも東部で大きな被害が出ているニホンジカについては、近年生息数が増加しているものの、まだ農業被害というほどのものは出ていない。そのほか、アナグマやタヌキなどの中型獣などによる被害が畑作物で報告されている。

こうした被害状況にある日野郡3町(日南町、日野町、江府町)では、「平成の大合併」の際に単独行政の道を選んだものの、共同で取り組める分野は協力し合っていこうと、2010(平成22)年度に県と連携し、行政サービスの維持・向上や効率的な行政運営を目指して「鳥取県日野地区連携・共同協議会」を設置した。

その翌年度には同協議会内に「農業分野等専門部会」を立上げ、農業分野での共同事業の可能性について検討。町域を超えた取組みが必要となる鳥獣被害対策で共同化に取り組むことになり、2013(平成25)年度に「日野郡鳥獣被害対策協議会」を設置(図2)。2016(平成26)年度からは専任の実働部隊として、3町合同で「日野郡鳥獣被害対策実施隊」を4人体制で稼働させることになった。

必ずしも財政的、人材的に恵まれているとはいえない中山間地域の小さな自治体同士が、県の支援を受けながら、どのような経過を経て共同の体制(広域協議会)を立ち上げ、その事務局を継続的に担っていく専門人材を育成してきたのかを紹介する。

3町合同の広域協議会を支える県のサポート

広域協議会の体制を築くにあたっては県のサポートが大きい。発足当初から、地域の農家・住民に対して相談や助言、指導、啓発、調査などを行う実働部隊「日野郡鳥獣被害対策実施隊」の事務所は、県の出先機関である鳥取県西総合事務所日野振興局(日野郡3町を管轄)内の会議室スペースに置かれている。実施隊のチーフを含めて4名の隊員全員がそれぞれ3町の役場に別々に籍を置いているが、日ごろから4人とも振興局内の事務所を拠点にしている。3町全体の鳥獣被害情報を共有し、歩調を合わせながら一体的に対策や活動を展開できているのも、こうした県の手厚い支援があってのことである。

同振興局農林業振興課農業振興室の河本昌樹室長は(写真1)、実施隊が結成された翌年の2015(平成27)年度から広域協議会の業務に係わっているが、事情も異なる3町が合同で広域協議会を運営することの難しさを痛感している。

河本昌樹室長

「県としては広域協議会をそれぞれの町が上手に利用してほしいところだが、発足した当初はどこの町も財政が厳しく、人材確保も難しいなどの事情を抱えていたため、協議会や実施隊としての活動を見つけるまでに山あり、谷ありだった」と振り返る。

鳥獣被害対策を行政の重点課題として位置付ける

被害防止に共同で取り組む意義は3町で共通認識になっていたものの、たとえば人材面でいえば、当初日南町は実施隊に派遣する人材として、ミッション固定型の地域おこし協力隊を公募して人材を確保したが、ほかの町では臨時の嘱託職員など不安定な待遇で人材を確保するなど、各実施隊員の待遇の違いが事務局内にギクシャクした雰囲気を生むこともあった。そこで待遇面に関しては、率先して県が間に入って調整をしながら、3町の担当者同士が話し合ってきた結果、ほぼ待遇面に関しては3町が横並びになった。

また、2016(平成28)年度末をもって3年間の地域おこし協力隊の任期を終えたチーフの木下卓也さんに、その豊かな専門知識と経験、卓越した地域とのつき合い術を活かして、引き続き業務にいそしんでもらうために、彼の給与を3町で負担し合うことになったが、これも県の調整によるところが大きい。

さらに予算の運用が厳しい町に対しては、総務省の地域おこし協力隊制度を活用して、野生動物の知識をもった若い優秀な人材を2人確保するために支援を行うなど、3町が共同歩調をとれるようにつねに配慮を欠かさない県のサポートは、事務局の場所提供とともに広域協議会にとっては大きな力になっている。

こうして広域協議会は鳥獣被害対策の事務局として3町の対策をリードしてきているが、鳥獣被害対策を行政の重点課題として位置付けて予算や人材を確保してもらうには町長の判断を仰ぐのが早い。そのため、広域協議会の会議では出席いただく3町の町長に対して協議会の役割や成果をわかってもらうように努力している。また、2か月に1回、副町長や担当者が集まる会議を定期的に開催して3町の対策ができるだけ横並びになるように調整を欠かさずに行っている。

実施隊の任務を担う人材は地域おこし協力隊

「鳥獣被害対策実施隊」の中心人物であるチーフの木下卓也さんは、1980(昭和55)年大阪生まれ。大阪の医療系専門学校を卒業後に作業療法士として「在宅医療」中心に活動し、その後、診療所やクリニック、福祉施設などで働くなど、もともとは地域医療のプロフェッショナルである。

こうした地域医療での業績がありながらも、2014(平成26)年に鳥獣被害対策に専任するミッション固定型の地域おこし協力隊員に志願し、実施隊チーフとして働いた。その後、2017(平成29)年4月に再雇用されて実施隊チーフを継続している。

ほかの隊員も、木下さん同様にミッション固定型で採用された地域おこし協力隊員が2人(東京都・神奈川県出身)、もう1人は地元出身の役場嘱託職員として採用されている(表2)。

木下さんの鳥獣被害に向き合う時の姿勢や考え方は、その経歴を反映してとてもユニーク。それまで取り組んできていた地域医療の仕事と現在の鳥獣被害の仕事は、「地域での生活にかかわる問題を解決するということ」で共通しているとして、地域の問題との向き合い方について次のように語る。

「その個人に『病気』や『不自由』などがあって、人的・物的環境に『障害』があった場合、個人なり、環境なりを変えて『障害』がなくなれば良い。『病気』や『不自由』があっても、そのことに苛まれる機会や時間を減らせば良い。同じように、その集落に『イノシシ』や『クマ』などがいて、人的・物的環境に『被害』があった場合、集落なり、環境なりを変えて『被害』がなくなれば良い。『イノシシ』や『クマ』がいても、そのことに苛まれる機会や時間を減らせば良い。」

木下さんによれば、現在集落が抱える課題を「病気」としてとらえた場合、その症状は人手不足、後継者不足、耕作放棄地の増加、高齢化、鳥獣被害、空き家問題、認知症、買い物、自動車の運転、公共交通など多岐にわたり、しかもそれぞれの課題が複雑に絡み合った「慢性疾患」の状態にあるという。

その「慢性疾患」に罹患した患者(集落)にとって必要なのは、治療者まかせではなく、患者である集落が担うべき役割を自覚し、しっかりと果たすことである。そして、今ある集落としての機能を維持しながら、効果がはっきりした治療を目指すことが大事であり、協議会が掲げる3つの基本対策のうち、「寄せない」対策や「捕まえる」対策以上に、「入れない」対策が最も大切であると考える(表4)。なかでも事前の研修や施工のための現地測量を含め、集落として取り組む「入れない」ための侵入防止柵の設置にとりわけ力を入れている(図3)。

 

鳥獣対策を通じて集落機能の維持を図る

協議会がすすめる鳥獣被害対策は、住民主体に今ある集落の機能に依拠しながら集落ぐるみで実施するのが基本となる。しかしながら、実施隊ができたばかりの2014(平成26)年度は柵設置については町役場がすべて担当しており、住民が作成した図面を十分にチェックすることができなかったため、自己流に柵を設置して効果が上がらない例も多く発生していた。そのため、翌年度から、実施隊が柵設置に専門家として関わるようなしくみに変えていった。

まず柵を設置する前に集落の人たちが「対策の基本」について学ぶ研修会(写真3)を必ず開催する。この基本研修の実施により、住民のなかに広がる「あきらめ」を払拭するとともに、素人発想による無茶な設置計画を抑え、さまざまな住民の考えをまとめ上げて柵設置に向けた合意形成を行うのである。

写真3 基本研修の様子

そのうえで、現地を町の担当者や集落の人たちとともに一緒に歩いて実測する(写真4)。この段階では土地の凹凸や竹林・道路など隣接地との境界を見ながら、どのように柵を設置するのが最適なのかを見極める。みんなで歩いて考えることで、細々した地域の問題に向き合い、現在行っている対策での間違いに気づいてもらい、柵を張ろうとする農地が本当に守るべき農地なのかどうかについてもしっかりと考えてもらう。

写真4 柵の設置を予定している集落では実施隊員とともに図面をもとに防護柵設置のための測量を行う

そして、柵設置の際には、現地で施工方法の指導を行い、集落の人たちに施工してもらう(写真5)。以前は図面を作成してもそれを無視して柵を設置するような例もあり、確認時に現場で失敗例を知るようなことがあった。だが、最近は基本研修や実測時の立会いなどで住民との関係を築いているため、施工時に問題があるとすぐに実施隊を呼んでくれるようになってきたという。

写真5 施工にあたっては手引きを参考に柵の設置をすすめてもらう

このように、集落の人を集め、一緒に学び、考え、活動する機会をつくって、その思い込みや誤認識を正しながら、効果の上がる柵設置の方法をアドバイスし、みんなの意見をまとめ上げていく。こうした地道な作業を鳥獣被害対策のなかで積み重ねていくことで、集落機能の維持がさらに図られることになると木下さんはみている。

写真6 高齢化がすすみ、柵設置のための担い手が少ない日南町宮田集落では、県の「とっとり共生の里」事業を使って、損保保険ジャパン日本興和㈱山陰支社の社員の方々に手伝ってもらって柵の設置を行った。集落によっては鳥取大学の学生ボランティアの力を借りることもある

「寄せない」、「入れない」対策を継続する大切さ

このように、実施隊をリーダーとしてきめ細かい対策を実施しているが、被害額をみるとすべての集落で被害が減っているとはいえないのが現実である。実際、2017(平成29)年度は、イノシシによる畦畔の掘り返しや水路の埋立てなどの被害が多く発生している。対策が進む一方で、被害のなくなった集落と、逆に被害が増えている集落とに二分化されてきているからではないかと木下さんはみている。

被害が発生している集落をみると、「寄せない」、「入れない」ための対策が十分に行われていないことが多い。つまり、①廃棄物や放任果樹が多い、②効果のある対策を実施していない、③効果のある対策と効果のない対策が混在している、④集落や農地を柵で大きく囲んでいるが、山側だけの設置や道路・河川などで途切れている、⑤集落や農地を柵で大きく囲んでいるが点検・補修ができていないなど、いくつかの要因が浮かび上がってくる。また、対策を行っていない集落の場合だと、周辺集落がしっかりした対策を行った結果、被害が発生しやすくなっている。

なかには、設置後の点検・補修が不十分なため、柵の効果が発揮できていない事例も見受けられる。そうした単なる「お守り」のような柵も多く見受けられる(写真7)。したがって、こうした柵を効果の発揮できる柵(設置位置、維持管理体制の再構築など) にどう作り変えていけるのかが今後の課題の一つとなっている。

写真7 効果が発揮できていない柵の例

2011(平成23)年度にワイヤメッシュの柵を設置した集落の例であるが、2017(平成29)年に収穫直前の田んぼにイノシシが侵入し、食害や踏み倒しなどによって8枚の田んぼが壊滅状態となる被害が発生。その後も収穫できなかった稲をそのままにしていたため、冬期にも再度侵入され、柵も大きなダメージを受けることになった。

実施隊が相談を受けてワイヤメッシュ柵を点検したところ、補修が必要な場所が131カ所も見つかった。そこで、イノシシについての学習会を集落で行い、設置位置の変更や部材の交換、補強など集落全体で取り組み、補修が必要な箇所はすべて補修を行った。それとあわせて侵入を許していた場所に捕獲檻を設置し、集落の人たちに手伝ってもらってエサを仕掛けて捕獲も行ったところ、秋には被害もなく無事稲を収穫することができた(写真8)。

写真8 柵設置前は田んぼをイノシシがのた打ち回っていたが(左)、柵設置後は被害がなくなり、無事に稲を収穫できた(右)

このように、過去に「入れない」対策を実施した集落に対しても、効果的な守り方に関する新たな情報を継続して提供するとともに、日常的に柵の補修を推進することが必要である。また、新規に「入れない」対策を実施する集落に対しては、研修会を通じて集落の住民に正しい知識を提供したうえで、適切な柵の設置を推進することが大切である。

ただし、こうした「入れない」対策は、「寄せない」対策と一体的に集落全体で取り組んでいく必要があり、今後は「寄せない」対策をどう進めていくのかが課題であると木下さんはみている。

「捕まえる」対策は「農地を守る」補完的な対策

協議会では、3つの基本対策の一つ「捕まえる」対策は、「農地を守る」うえでは補完的な対策として位置付けている。

現在各町では、年間通じて捕獲をすすめる有害鳥獣捕獲員を育成するため、新規の狩猟免許取得に向けて、1/2補助を行っている。その結果、わな猟免許保持者は、2015(平成27)年の83名から2017(平成29)年には98名と増加傾向にある。とくに退職後に専業農家になった人が取得する例が増えており、生粋の狩猟者よりも農家の有害鳥獣捕獲員のほうが捕獲において頑張っている。

協議会では移動式の捕獲檻を購入して各町に貸出し、各町では有害鳥獣捕獲員に対して貸出しを行う。その結果、くくり罠よりも捕獲檻で捕獲するほうが多くなり、複数頭捕獲する人も増加している。協議会では、捕獲者の育成を図るため、新規に狩猟免許をとり、有害鳥獣捕獲員になった人に「センサーカメラ」を貸出し、現地の足跡などとセンサーに映った映像とを見比べながら技術の向上を図ることができるように指導を行っている(写真9)。

写真9 新規に狩猟免許をとり、有害鳥獣捕獲員になった人にはセンサーカメラを貸し出して、技術指導を行う

今後は、農地周囲での捕獲については檻の管理(エサやりなど)を集落に任せ、仕掛のセットや止刺しを捕獲者が行うような協力体制を構築するとともに、少数の捕獲者でも効果を上げられるように、「遠隔監視捕獲システム小型版(通称:トットルmini )」などのICT機器を活用していくことも検討中である。

対策を担う人材を育てていくために必要なこと

今では地域に定着している実施隊であるが、当初はその役割を理解してもらえずに苦難の連続だったという。それでも隊員たちは熱心に現場に足を運び、ときには、「育てた野菜を孫に食べてもらうのが楽しみだ」といって小さな自家用畑で野菜を育てるお年寄りの声にも耳を傾け、鳥獣被害を防ぐ方策を一緒に考えたりして、一人一人の住民たちと丁寧に接してきた。

また、実施隊が撮影した動画や培った経験・知識などの情報は、さまざまな場面を通じて地域の幅広い層に発信している。その手段としては、町報や隊員自らが運営するブログをはじめ、「1人以上集まったらどこででも話します!」を合言葉に、生涯学習の教室やJAでのセミナー、小学校での出前授業などにも足を運ぶほか、将来担い手となっていく地元の子供たちを集めた子供教室や日野郡全域対象の鳥獣被害対策セミナーなどを開催し、鳥獣被害の現状について知ってもらい、有効な予防対策について情報を共有してもらう(写真10)。こうした地道な活動が集落単位の活動を行う際には、間接的に大きな効果を発揮しているのも事実である。

写真10 生涯学習教室や小学校などでも出前講座を行い、住民に広く鳥獣被害対策について普及・啓発活動を行う

こうした実施隊の活躍について、日野町役場産業振興課の音田守課長は次のように語る。「小さな町では役場担当一人にできることはたかだが決まっている。しかも担当者は鳥獣被害対策については素人であり、農家に対しては気兼ねして踏み込んだ指導ができないでいる。その点、実施隊が動いてくれることで専門性を有する案件について担当者の仕事の負担が減り、正直助かっている。しかしながら、実施隊員に対して町として財政的に厳しいために待遇に関して十分なサポートができていないのが現状であり、この町に居続けてもらうために、今後とも住居や給与面の改善を行っていきたい」

広域協議会では、1つの町がうまく行くと、その情報がほかの町にも伝わり、最初の町と同じように動き出さざるを得なくなるので、協議会に参加するすべての町の対策がレベルアップする。木下さんはこれを協議会が持つメリットの一つとして大きく評価している。

鳥獣被害対策の先頭に立って5年間活躍してきた木下さんは、これまでの活動を通じて思うことがある。どうしたら誇りと責任感を持って鳥獣被害対策に取り組んでいけるプロフェッショナルな人材を育てていけるのかということである。

2014(平成26)年度に実施隊が創設されて以降、現在まで隊員を続けているのは木下さんを含めて2名のみである。その間に県・町の町長、所長、課長、担当者はすべて変わっている。そのため、町の鳥獣被害対策の制度について変更点なども含めて詳細に知っているのは、長年勤務する2名の実施隊員のみであり、鳥獣対策のプロフェッショナルとして行政の場で重要な立場にあるといえる。

地域が変わっていくためには時間のかかることが多く、そこに寄り添いながら長く働けるプロフェッショナルな人材がどうしても必要になる。そのためには、①プロフェッショナルな人材として信頼して仕事を任せてもらうこと、②待遇面も含めて長く働ける環境をつくっていくこと、③県などの関係機関のサポートがしっかりとあることが重要であると、木下さんはみている。

このうち、②についていえば、今後、対策を担う人材が待遇面でも安心して長く働き続けられるように、協議会のなかで実施隊の体制や条件に関して話し合う場が設けられ、少しずつでも改善できるように配慮することが必要であると強調する。
③については、県によるサポートでは「お金の面よりも、人的サポートが非常にありがたい」という。日野郡では同じ県の地域振興局内に事務所を構えていることから、距離的にも県が最も近い存在であり、研修会の情報を流してもらったり、愚痴を聞いてもらったりして常日ごろから相談できる体制がある点を、木下さんは高く評価している。

実施隊ができて5年。「いろいろなことに取組んでいるように思えるかもしれませんが、その時その時、今後のことも考えて、必要そうなことに取組んできただけです」と木下さんは謙遜するが、5年間の経験から周到に練られた取組みの数々は、地域が「持続」できるように地域ぐるみで懸命に考え、行動していこうとする共同の意識を、確実に地域住民のなかに育ててきているといえるだろう。

このカテゴリーの記事 - 鳥獣被害対策