聞き書 大阪の食事 大阪月給とりの食より
■お彼岸
主人が大の甘党とあって、五百蔵家では必ず春と秋の彼岸にはおはぎをつくる。もち米とうるち米半々のごはんを大ざっぱにつぶしてにぎり、こしあん、粒あん、きな粉でくるむ。おはぎを携えてお墓まいりをしたあとは、阪急百貨店の大食堂に寄る。おなかがいっぱいになったら、帰りは円タク(タクシー)。ただし、市電の停留所(石田橋)からなので、東田中町まであっという間に着いてしまうのが子どもたちには残念だ。
写真:春と秋のお彼岸には必ずつくる三色おはぎ
〔上から〕粒あん、こしあん、きな粉
出典:上島幸子 他. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.123-123