聞き書 富山の食事 五箇山の食より
こんかをなべで炒ってから塩をほどよく混ぜ、塩からくする。にしん(干しにしん)は水にもどしてやわらかくしておく。桶にこんかを敷き、にしんを一並べし、またこんかをかぶせる。ときどき赤なんばを入れながら漬けこんでゆく。落としぶたをし重石をのせて、水が上がってくる一〇日目ごろから焼いて食べはじめる。
保存食で、ときどき出して食べる。こんかもふりかけとして温かいごはんにふりかけて食べると、脂もあり、香ばしい。
こんかいわしは、たいてい加工したものを城端町から買うが、秋に生のいわしが手に入ると、つくる家もある。一度塩漬けし、身がしまってからこんかに漬けこんでおく。焼いて食べる。
写真:こんかいわし
秋から冬にかけての日常のごちそう。
出典:堀田良 他. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.110-110