聞き書 大阪の食事 北河内(淀川流域)の食より
秋祭りにはどっさり巻く。芯にはごぼう、身欠きにしん、こんにゃくも入れるが、中心はじゃっかけでとったふなである。
ふなは、とったらすぐに内臓だけ除き、炭火で素焼きにして、わらでつくった「ぼと」にさしてよく乾燥させる。祭りの三日前にはこんぶで巻き、しゅろでくくって大なべで煮る。落としぶたをして一日くらい煮て、中骨までやわらかくなったら醤油、砂糖を加えて味をつけ、さらに二時間余り煮こむ。火を消してから一晩は、そのまま煮汁につけておく。
出典:上島幸子 他. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.211-211