ふなのこぶ巻き

連載日本の食生活全集

2021年10月04日

聞き書 大阪の食事 北河内(淀川流域)の食より


秋祭りにはどっさり巻く。芯にはごぼう、身欠きにしん、こんにゃくも入れるが、中心はじゃっかけでとったふなである。
ふなは、とったらすぐに内臓だけ除き、炭火で素焼きにして、わらでつくった「ぼと」にさしてよく乾燥させる。祭りの三日前にはこんぶで巻き、しゅろでくくって大なべで煮る。落としぶたをして一日くらい煮て、中骨までやわらかくなったら醤油、砂糖を加えて味をつけ、さらに二時間余り煮こむ。火を消してから一晩は、そのまま煮汁につけておく。

 

出典:上島幸子 他. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.211-211

関連書籍詳細

日本の食生活全集27『聞き書 大阪の食事』

上島幸子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900099
発行日:1991/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 392頁

商人の町・大阪は、日本中の一流の物産が集まる「天下の台所」。船場、天満の商家、月給取り、近在の農家・漁家の食卓に、「食い倒れ」の真相を探る。写真を添えて料理を再現した食の歳時記。
田舎の本屋で購入

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