山講はかしわのすき焼きで豪勢に―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年11月08日

聞き書 滋賀の食事 湖北余呉の食より


山の神さまをまつる山講は、春、秋の二回行なわれる。春は二月九日、秋は十一月九日である。春の山講は、山の雪も消えはじめ、いよいよこれから山の仕事にとりかかるということで、山仕事の安全を祈る行事である。秋の山講は、みぞれまじりの雪が降り出すころで、一年の山仕事を終えて山の神に感謝する日である。
上丹生では組ごとに集まる。宿の家へは米二合ずつを持ち寄り、神棚には、鏡もち、神酒、山の幸、海の幸の供物を供えて祈とうする。このあと神酒をくみかわし、すき焼きで会食をする。すき焼きには、家で飼っている鶏をつぶしてだし肉に使う。七輪にすき焼きなべをかけ、肉、ごぼう、ねぎ、豆腐、麩を入れて、砂糖、醤油で味つけして食べる。

写真:山講のかしわのすき焼き
かしわ、ごぼう、ねぎ、豆腐、棒麸が入る。

 

出典:橋本鉄男 他編. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.227-227

関連書籍詳細

日本の食生活全集25『聞き書 滋賀の食事』

橋本鉄男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910012
発行日:1991/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

日本最大の湖・琵琶湖には鯉・鮒・もろこなど淡水魚があふれる。ふなずしをはじめ、滋賀県特有の湖魚の食べ方をもらさず紹介。また、近江商人発祥の地に残る本宅(店に対する自宅)の食生活など話題がいっぱい。
田舎の本屋で購入

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