冬の間は、でえこ麦、煮ごみうどんといも料理―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年12月07日

聞き書 山梨の食事 北都留(棡原)の食より

朝―前日のでえこ麦と煮ごみうどん、里芋煮、けずり節、ねぎ味噌、梅干し
大麦の割麦に一割くらいの米を混ぜ、五、六倍の水を入れて、とろ火で半日ぐらいやわらかく煮る。ごはんを炊くのは一日一回で、昼から翌日の朝までもたせる。冬は、このお麦(麦飯)に大根の千六本を入れて、でえこ麦をつくることが多い。ねぎ味噌(生味噌にきざみねぎを混ぜたもの)、けずり節、梅干しをつけて食べる。
冬は、夜、里芋をゆっくり煮て、味噌で味つけしておいたものを朝になって食べる。
味噌汁はつくらず、前夜の煮ごみうどんを食べる。

写真:冬の朝食
上:〔左から〕梅干し、ねぎ味噌、けずり節/下:前日炊いたでえこ麦と煮ごみうどん

 

出典:福島義明 他編. 日本の食生活全集 19巻『聞き書 山梨の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.288-290

関連書籍詳細

日本の食生活全集19『聞き書 山梨の食事』

福島義明 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900082
発行日:1990/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

徴兵検査で甲種合格率日本一といわれ、長寿県として有名な山梨の食の特徴は? 甲斐の山々に囲まれた海なし県ならではの雑穀、鳥獣、虫、魚の滋養豊かな食べ方、名物ほうとうの地域ごとの味わい方を紹介する。
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