白いごはんにけんちん汁と魚で年取り―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年12月15日

聞き書 神奈川の食事 津久井山村の食より

年取り
三十一日の夜は白いごはんにけんちん汁、こんにゃくや里芋の煮しめ、きんぴら、さんまの焼き魚を年神さまへ供え、家族そろって年取りのごちそうをいただく。大根、にんじん、ごぼう、里芋、こんにゃくを油で炒め、豆腐を入れてつくるけんちん汁は待ちに待ったごちそうの一つ。けんちん汁、煮しめ、きんぴらはたくさんつくり、正月にも食べる。
夜おそくなってからうどんを食べ、除夜の鐘が鳴るのを待って一番まいりをする。

写真:年取りのごちそう
煮しめ(にんじん、ごぼう、里芋、こんぶ、大根の5品)、尾頭つき(さんまの塩焼き)、きんぴら、白いごはん、けんちん汁

 

出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.292-295

関連書籍詳細

日本の食生活全集14『聞き書 神奈川の食事』

遠藤登 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540920028
発行日:1992/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

和洋中が勢揃いの横浜のハイカラ料理、古都鎌倉の伝統食から、相模野の恵み、山・川・海の幸を集めた県内各地の素朴な郷土料理まで、地元のお年寄りからの聞き書きをもとに再現。写真つきで記録。
田舎の本屋で購入

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