聞き書 神奈川の食事 津久井山村の食より
■年取り
三十一日の夜は白いごはんにけんちん汁、こんにゃくや里芋の煮しめ、きんぴら、さんまの焼き魚を年神さまへ供え、家族そろって年取りのごちそうをいただく。大根、にんじん、ごぼう、里芋、こんにゃくを油で炒め、豆腐を入れてつくるけんちん汁は待ちに待ったごちそうの一つ。けんちん汁、煮しめ、きんぴらはたくさんつくり、正月にも食べる。
夜おそくなってからうどんを食べ、除夜の鐘が鳴るのを待って一番まいりをする。
写真:年取りのごちそう
煮しめ(にんじん、ごぼう、里芋、こんぶ、大根の5品)、尾頭つき(さんまの塩焼き)、きんぴら、白いごはん、けんちん汁
出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.292-295