お凍り菓子

連載日本の食生活全集

2022年01月21日

聞き書 長野の食事 諏訪盆地の食より


武田信玄の兵糧に用いられたともいわれる、冬の凍みを利用したお菓子である。長く保存できるので、冬の間にたくさんつくり、野良で食べたり、子どものおやつにしたりする。
切りわけたお凍り菓子は、陰干しにして徐々に乾燥させるのがこつで、一気に干しあげると、ぱさぱさに仕あがり、砕けやすくなる。
梅漬のしそ、黒ごま、のりなどを入れて目先を変える。そのままでもおいしいが、炒ったり、油で揚げたりしても違った味わいがある。

写真:お凍り菓子(3)
1晩おくと、凍って切りやすくなる。1分半くらいの厚さに切り、日陰で凍らせながら乾かす。九分どおり乾いたら、日光にあてて干しあげる。

 

出典:向山雅重 他編. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.162-162

関連書籍詳細

日本の食生活全集20『聞き書 長野の食事』

向山雅重 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860768
発行日:1986/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

十州に境を連ねる信州の山と川、四つの平の恵みを生かしきる女の技を収録。木曽のすんき漬、東信の野沢菜漬、中信の稲扱菜など、特徴ある野菜がいっぱい。海こそなけれよろず足らわぬことなき暮らしと食を聞書きする。
田舎の本屋で購入

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