寒い冬間はにゅうめんにうさぎ肉や川魚を入れる―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年02月02日

聞き書 兵庫の食事 播州平野の食より

昼―麦飯、にゅうめん、こうやの煮もの、漬物、もろみ
麦飯は朝の分と一緒に炊いたものなので、昼ごろになると冷えてしまっている。そこでお菜は温かいものが好まれる。朝の味噌汁に水と味噌を足し、すぐ煮えるよう薄く切った大根やねぎ、またはこいもやみずななどを加え、たっぷりのそうめんを入れる。味噌汁というよりは、味噌仕立てのにゅうめんである。汁が多いと「味噌汁」、汁気が少なくそうめんが多いと「にゅうめん」といっている。朝食に使ったばちもそうめんの一部分だが、ばちはにゅうめんに使われることはない。
お菜として、季節の野菜などを煮て醤油で味つけしたものや、乾物の切干し大根やこうや(高野豆腐)の煮たものを皿に盛る。お菜の味つけには、砂糖やみりんなどはほとんど使われることはない。
漬物は、よく漬かった白菜漬(山東白菜の塩ぬか漬)やおこうこが添えられる。生醤油をかけて食べる。

写真:冬の昼食
上:こうやの煮もの、白菜漬/下:麦飯、にゅうめん

 

出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.109-111

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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