ふきのとう味噌

連載日本の食生活全集

2022年03月15日

聞き書 滋賀の食事 近江商人(本宅)の食より

ふきのとうが地面から顔を出すと春の訪れである。そのふきのとうを使ったふきのとう味噌が食卓にのぼると、今年ももう春が来たのかと食卓の春を感じる。
ふきのとう味噌には、花が開く前のつぼみのころが、ふきのとうのほろ苦みが強くてよいとされている。ふきのとう三合をよく洗って熱湯でゆがき、半日ほど水につけ、途中二、三度水をかえて十分あく抜きをする。水気を切ったあと細かくきざみ、味噌一〇〇匁と一緒にすり鉢でよくする。そのなかに砂糖を大きなさじで五、六杯と水あめ一〇〇匁を入れ、十分混ぜる。このようにしてつくった味噌はなめ味噌として食べる。

写真:ふきのとう味噌をつくる

 

出典:橋本鉄男 他編. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.147-148

関連書籍詳細

日本の食生活全集25『聞き書 滋賀の食事』

橋本鉄男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910012
発行日:1991/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

日本最大の湖・琵琶湖には鯉・鮒・もろこなど淡水魚があふれる。ふなずしをはじめ、滋賀県特有の湖魚の食べ方をもらさず紹介。また、近江商人発祥の地に残る本宅(店に対する自宅)の食生活など話題がいっぱい。
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