聞き書 岐阜の食事 古川盆地(国府)の食より
■夜―麦飯、野菜の煮しめ、あさつきの酢味噌あえ、長漬
残雪がまだ見える山すそに、あさつきの黄色い芽が伸びてくれば酢味噌あえにして、煮しめの残りとともに食膳に出す。漬物は、あれほど大量に漬けた切り漬も煮たくもじにして少なくなり、秋に葉つきの紅かぶらをやや強塩で漬けた長漬が食膳につくようになる。
写真:春の夕飯
膳内:麦飯、煮しめ(大根、にんじん、ぜんだいも、蒸したつくり)、あさつきの酢味噌あえ/膳外:紅かぶらの長漬
出典:森基子 他編. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.23-24