聞き書 奈良の食事 吉野川流域の食より
日陰にできている小指までの太さの野ぶきを摘んでくる。日当たりのよいところの野ぶきは皮が固い。
ふきをよく洗って皮つきのまま一寸ぐらいの長さに切り、水にしばらくつけてあく抜きをする。ゆでていっかきに上げ、一晩干しておく。
翌日、なべに醤油とほんの少しの砂糖を加えて、ふきを入れて弱火で気長に時間をかけて炊く。ふきは時間をかけて炊かないと固くなり、また味もまずくなる。
写真:山菜の煮もの
野ぶきのつくだ煮、たけのことわらびの煮もの
出典:藤本幸平 他編. 日本の食生活全集 29巻『聞き書 奈良の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.233-233