野ぶきのつくだ煮

連載日本の食生活全集

2022年05月24日

聞き書 奈良食事 吉野川流域の食より


日陰にできている小指までの太さの野ぶきを摘んでくる。日当たりのよいところの野ぶきは皮が固い。
ふきをよく洗って皮つきのまま一寸ぐらいの長さに切り、水にしばらくつけてあく抜きをする。ゆでていっかきに上げ、一晩干しておく。
翌日、なべに醤油とほんの少しの砂糖を加えて、ふきを入れて弱火で気長に時間をかけて炊く。ふきは時間をかけて炊かないと固くなり、また味もまずくなる。

写真:山菜の煮もの
野ぶきのつくだ煮、たけのことわらびの煮もの

 

出典:藤本幸平 他編. 日本の食生活全集 29巻『聞き書 奈良の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.233-233

関連書籍詳細

日本の食生活全集29『聞き書 奈良の食事』

藤本幸平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920035
発行日:1992/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

青丹よしといわれた奈良の都、法隆寺を仰ぐ斑鳩の里から山深い吉野・十津川郷まで、その歴史・民俗・食べ物を古老からの聞き書きと写真で記録。東大寺の結解(けっけ)料理など、各地の寺社料理も紹介。
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