ささげもち

連載日本の食生活全集

2022年07月11日

聞き書 石川の食事 加賀平野の食より

七月土用につくるもちで、ささげ豆がもちに飛びついたようにいっぱいつくので、「ささげのとびつき」ともいう。
なべに入れたささげ豆に水を加えてすぐに火にかけ、ささげの腹が切れないように弱火でことこととやわらかく煮て塩味にする。この中に搗きたてのもちをちぎって入れ、ささげ豆をまぶしつける。搗いたもちにすぐにつけないと表面が乾き、豆がつかない。
ささげのほんのりとした甘みと塩味が、あっさりとして夏のもちらしい趣をかもし出している。

 

出典:守田良子 他. 日本の食生活全集 17巻『聞き書 石川の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.96-97

関連書籍詳細

日本の食生活全集17『聞き書 石川の食事』

守田良子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880094
発行日:1988/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

四季折々の素材をこまやかな味わいに仕上げる古都・金沢の食、焼畑からの雑穀、山菜、木の実、熊など獣が食卓をにぎわす白山麓の食など「加賀百万石」の地の多彩な食の数々。
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