聞き書 富山の食事 富山周辺の食より
かたうりは毎年五株ずつ植えると五〇個は収穫できる。新鮮なうちにあんかけやおすわい(酢あえ)にして、夏のお菜として食べる。
かたうりのあんかけは、皮をむいたかたうりを縦半分に切ってなかご(種の部分)をとり、さらに縦半分に切って一、二分くらいの厚さのいちょう切りにする。なべにへしこ(煮干し)とかたうりを入れ、水を加えて煮て、醤油味をつけ、かたくり粉でとろみをつける。なめらかで食べやすいので、家族の者たちの好物でもある。
おすわいは、かたうりを縦半分に切ってなかごをとり、おすわいかき(せん切りにする道具)でかいて薄塩をしてしばらくおき、しぼって酢と砂糖で調味する。
写真:かたうりとその料理
あんかけ(左)、おすわい
出典:堀田良 他. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.206-206