干しあけび煮

連載日本の食生活全集

2022年11月14日

聞き書 山形の食事 村山山間の食より


もいできたあけびの種をとり、軒下に干す。干しあけびは、保存食として蓄えておく。
干しあけびをもどすには、湯にしばらくつけておき、水煮して冷めるまで浸しておく。煮汁が冷めたらとり出してよく洗い、水気を切る。
中に詰める具は、にんじん、ごぼう、こんにゃく、つぶし豆、油揚げなどである。ごぼう、にんじんはあけびの長さに合わせて短冊切りにし、油揚げ、こんにゃくは細切りにする。これらとつぶし豆をあけびに詰め、かんぴょうで結ぶ。なべに入れ、たっぷりの水と醤油、砂糖を加え、汁がなくなるまで弱火で二時間ほど気長に煮る。

 

出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.92-92

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
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