おきりこみ

連載日本の食生活全集

2023年01月10日

聞き書  群馬の食事 奥多野の食より


煮干しのだしに、さんどいも、にんじん、ごんぼ、大根、ねぎなど季節の野菜を入れた汁を煮ながら、うどんごなをこねてのし、うどんより太めに切っておく。日常の食べものなので、のすとき、うどんのようには手をかけない。なから(だいたい)煮えた野菜のなべの中に、めんをうでずにそのまま入れて煮る。
やわらかく煮えたら味噌で味をととのえて、熱いうちに食べる。季節を問わず、これをおゆはん(夕食)にすることが多い。残ったら、翌朝あっためて、おつゆ(味噌汁)がわりにする。「おきりこみのたてっかえし」といい、これを喜ぶ人も多い。
そばっこなでつくるおきりこみもある。

 

出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.184-184

関連書籍詳細

日本の食生活全集10『聞き書 群馬の食事』

志田俊子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540900051
発行日:1990/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

かかあ天下に空っ風の上州は「粉もの王国」。「おきりこみ」の味は絶品で、夕食には"つるつる"の音が家中に広がる。みそまんじゅうやおやきも詳しく紹介。
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