聞き書 群馬の食事 奥多野の食より
煮干しのだしに、さんどいも、にんじん、ごんぼ、大根、ねぎなど季節の野菜を入れた汁を煮ながら、うどんごなをこねてのし、うどんより太めに切っておく。日常の食べものなので、のすとき、うどんのようには手をかけない。なから(だいたい)煮えた野菜のなべの中に、めんをうでずにそのまま入れて煮る。
やわらかく煮えたら味噌で味をととのえて、熱いうちに食べる。季節を問わず、これをおゆはん(夕食)にすることが多い。残ったら、翌朝あっためて、おつゆ(味噌汁)がわりにする。「おきりこみのたてっかえし」といい、これを喜ぶ人も多い。
そばっこなでつくるおきりこみもある。
出典:志田俊子 他編. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.184-184