毎日、野菜の種類がかわる料理――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年04月27日

聞き書  愛知の食事 名古屋の四季と食事より

おみおつけに入れる野菜はみつば、うど、さやえんどうなどである。一色から魚の引き売りが来ると、あさり、はまぐり、しじみ、煮魚用の魚を求める。
夜――ごはん、煮魚、ふきとたけのこの煮もの、みつばのおしたし、かき玉汁
煮魚はいさきを使う。大きいものは半分に切り、醤油、砂糖、みりんで煮る。たけのこ、ふき、しいたけ、うどを大なべで煮て、翌朝の膳にもつけ、また女学校へ持って行く弁当のおかずにもする。
かき玉汁はこぶとけずり節でだしをとり、ねぎを小口切りにして入れ、とき卵でとじる。
みつばはさっとゆがき、一寸くらいに切り、ごまをすって醤油と少々の砂糖を入れてあえる。

写真:春の夕食
いさきの煮つけ、ふきとたけのことしいたけの煮もの、みつばのおしたし、白いごはん、かき玉汁

 

出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.33-34

関連書籍詳細

日本の食生活全集23『聞き書 愛知の食事』

星永俊 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890031
発行日:1989/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

海、山、川、田畑の幸豊かな愛知、味噌のルーツ豆味噌を生かす味噌料理の数々。尾張藩時代からの伝統ある食べものと、江戸、上方の味覚がおりなす多彩な食。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事