聞き書 愛知の食事 名古屋の四季と食事より
おみおつけに入れる野菜はみつば、うど、さやえんどうなどである。一色から魚の引き売りが来ると、あさり、はまぐり、しじみ、煮魚用の魚を求める。
■夜――ごはん、煮魚、ふきとたけのこの煮もの、みつばのおしたし、かき玉汁
煮魚はいさきを使う。大きいものは半分に切り、醤油、砂糖、みりんで煮る。たけのこ、ふき、しいたけ、うどを大なべで煮て、翌朝の膳にもつけ、また女学校へ持って行く弁当のおかずにもする。
かき玉汁はこぶとけずり節でだしをとり、ねぎを小口切りにして入れ、とき卵でとじる。
みつばはさっとゆがき、一寸くらいに切り、ごまをすって醤油と少々の砂糖を入れてあえる。
写真:春の夕食
いさきの煮つけ、ふきとたけのことしいたけの煮もの、みつばのおしたし、白いごはん、かき玉汁
出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.33-34