商いかごでいわしを買って、いり干しづくり――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年04月20日

聞き書  鳥取の食事 大山山麓の食より

日本海がないで、地引網でいわしが多くとれる時期になると、坊領の男たちは商いかごを天びん棒でかつぎ、御来屋の灘まで歩いていわしを買いに行く。片道一時間ほどかかる。
いわしは煮ても食べるが、わらで編み、ゆでて天日でからからに乾かしていり干しにし、だしとして使う。ときには、これに味噌をつけたり醤油をつけて、酒のさかなや菜にする。
茶の子――米の飯、味噌汁、金山寺みそ
米の飯に金山寺みそ、里芋の種いもの残りとねぶか(ねぎ)の味噌汁である。

 

出典:福士俊一 他編. 日本の食生活全集 31巻『聞き書 鳥取の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.200-201

関連書籍詳細

日本の食生活全集31『聞き書 鳥取の食事』

福士俊一 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910036
発行日:1991/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 382頁

日本海側有数の漁港=賀路・境港のある鳥取県は、魚、えび、かに、貝と海の幸が多彩。磯場の夏泊海岸の海女漁は豊臣時代からの歴史をほこる。因幡の山間、伯耆富士=大山の山麓には山の幸たっぷりの食生活が。
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