聞き書 岩手の食事 県央の食より
忙しい時期であるだけに、村でいっせいに休む日の「ふれ」がまわる。からす祭り、たなおろし休み、田打ち休み、田植え休みである。これらの日の多くは、特別なごちそうをするというのではなく、家でからだを休め、間食に余った種もみを炒り米にしたり、炒りもちや揚げもちを食べたりして過ごす。
田植えは、親類、近所の人とゆいで行なう。当家が田植えの日には、朝の一服(午前の小昼)、昼食、午後の小昼を出すので、主婦は忙しい。
■午前の小昼
赤飯、煮しめなど。
写真:田植えの午前の小昼
上:(左から)漬物(きゅうり、たくあん)、煮しめ(にしん、にんじん、ごぼう、凍み豆腐、こんぶなど)/下:(左から)なます(大根、にんじん、青豆)、赤飯
出典:古沢典夫 他編. 日本の食生活全集 3巻『聞き書 岩手の食事』. 農山漁村文化協会, 1984, p.131-132