じゃっぱ魚の刺身、三平汁、なます――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年05月22日

聞き書 青森の食事 南部〈八戸〉の食より

晩――ひえ飯、三平汁、わかめの豆腐あえ、どんこの逆さ焼き、たくあん
三平汁はそのときどきの魚で、いわし、さば、すい、あぶらめなどを二枚におろして、二つか三つに切り、軽く塩をふっておく。こんぶでだしをとり、大根を大きめにささがきにして入れ、煮えたら魚を入れて塩で味をつける。おろしぎわに、斜め切りにしたねぎをはなして食べる。魚の持ち味を生かした三平汁は、あっさりして毎日食べても飽きることがない。
わかめの豆腐あえは、わかめをもどしてお湯をかけ、豆腐を軽くしぼってすり鉢ですり、塩で味をつける。
脂っこい魚は串を逆さに打って焼くと、脂が魚全体にしみこんでおいしく焼けるので、どんこやにしんなどは頭を上にして逆さ焼きにする。
新しい山東菜が出るまでは、たくあん、きゅうりなどの古漬を食べることになる。

写真:春の夕食
ひえ飯にいわしの三平汁(いわし、大根のささがき、ねぎ)、どんこの逆さ焼き、わかめの豆腐あえ

 

出典:森山泰太郎 他編. 日本の食生活全集 2巻『聞き書 青森の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.263-266

関連書籍詳細

日本の食生活全集2『聞き書 青森の食事』

森山泰太郎 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540860324
発行日:1986/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

二つの藩の伝統を受けつぐ青森県は、二つの半島、三つの海、三つの山脈を頂く。特色ある六つの地域で海の幸・山の幸の四季おりおりのくらしと料理法をちみつに聞き書き。
田舎の本屋で購入

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