聞き書 栃木の食事 渡良瀬川流域輪中の食より
■おいはん――麦飯、じゃがいもとさやぶどうのおつけ、なまずの煮つけ、たくあんこうこ、大根の味噌漬
さやぶどう(さやえんどう)とじゃがいもを組み合わせたおつけは甘くておいしい。お菜のなまずは、渡良瀬遊水池から与良川や田んぼに産卵にのぼってくる春が、一番とれる。しかも、このときは三歳なまずといって、とくに大きいのがとれる。おひるにはたにし、おいはんにはなまずと川里ならではの食べものが続く。
写真:春のおいはん
上:たくあんこうこと大根の味噌漬、なまずの煮つけ/下:麦飯、おつけ(じゃがいも、さやぶどう)
出典:君塚正義 他編. 日本の食生活全集 9巻『聞き書 栃木の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.249-250