聞き書 滋賀の食事 湖北余呉の食より
■山行きの弁当――ごはん、梅干し、塩ます、きゅうりのどぼ漬、煮豆
山の下草刈りに出かけるときは、ごはんをしっかり詰め、どぼ漬のきゅうりは切らずに一本持って行く。切ると味が落ちる。これをかじって食べるのがおいしい。煮豆は、いつも煮てあるので弁当の横へ入れる。塩ますも一ぴき買ってある。戸棚に入れておくと、塩が溶け出したり虫がわいたりするので、流しの上に尾を縄でくくり、ぶら下げておく。塩ますの焼いたものは、弁当のおかずにはごちそうである。
写真:夏の山行きの弁当
ごはん、梅干し、煮豆、塩ます、どぼ漬のきゅうり
出典:橋本鉄男 他編. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.222-223